幾何平均:値の真の中心を探る

幾何平均:値の真の中心を探る

AIを知りたい

先生、『幾何平均』ってなんですか?AIの勉強をしていると、よく出てきます。

AIエンジニア

そうだね。『幾何平均』は、数値の掛け算を使った平均だよ。例えば、2と8の幾何平均は、√(2 × 8) = 4になる。普通の平均(相加平均)とは計算方法が違うんだ。

AIを知りたい

普通の平均との違いが、よくわかりません…。

AIエンジニア

たとえば、10万円を運用して、最初の年に2倍、次の年に半分になったとしよう。それぞれの年の変化率は2倍と1/2倍だね。では、平均の運用利率は何倍だろう?普通の平均だと(2 + 1/2) ÷ 2 = 1.25倍になる。しかし、10万円は最初の年に20万円、次の年に10万円に戻るので、実際は変化なし、つまり1倍だよね。幾何平均だと√(2 × 1/2) = 1倍となり、実態と一致する。変化率のように、比率や割合を扱う場合は幾何平均が適しているんだ。

幾何平均とは。

人工知能の分野でよく出てくる言葉に「幾何平均」というものがあります。これは、数学や統計学、機械学習で使われる計算方法の一つです。複数の数字を掛け合わせた値のn乗根を求めることで計算されます。幾何平均は相乗平均とも呼ばれています。

はじめに

はじめに

幾何平均とは、数値の集まりの代表値を示す統計的な尺度の一つです。私たちの暮らしでは、平均といえば、数値を全て足し合わせて、その個数で割る、算術平均を使うのが一般的です。しかし、幾何平均は、比率や変化率といった、掛け算で繋がる値を扱う際に、特に力を発揮します。

例えば、投資の複利計算や人口の増加率の計算など、算術平均では正しい結果が得られない場合に、幾何平均が役立ちます。幾何平均は、値を全て掛け合わせて、その積のデータの個数乗根を計算することで求めます。これは、算術平均のように数値を足し合わせるのではなく、掛け合わせる点が大きな違いです。

この計算方法のおかげで、幾何平均は、極端に大きな値や小さな値の影響を受けにくく、より安定した代表値となります。例えば、ある商品の値段が一年で10倍になり、次の年に10分の1になったとします。算術平均で計算すると、変化がないように見えますが、実際には最初の値段に戻っています。このような場合、幾何平均を使うことで、価格の変化の実態をより正確に捉えることができます。幾何平均は、値の相乗平均とも呼ばれ、変化率や成長率を扱う際に用いられます。特に、長期的な投資の収益率を計算する際には、幾何平均を用いることで、複利効果を正しく反映した結果を得ることができます。また、細菌の増殖率や放射性物質の崩壊率など、指数関数的な変化を示す現象においても、幾何平均が重要な役割を果たします。幾何平均は、算術平均とは異なり、ゼロや負の値を含むデータには適用できないという制約がありますが、適切な場面で用いることで、データの背後にある真の変化を理解するための強力な道具となります。

項目 説明
定義 数値の集まりの代表値を示す統計的な尺度。比率や変化率といった掛け算で繋がる値を扱う際に特に有効。
計算方法 値を全て掛け合わせて、その積のデータの個数乗根を計算する。
特徴 極端に大きな値や小さな値の影響を受けにくい。
用途 投資の複利計算、人口の増加率の計算、長期的な投資の収益率計算、細菌の増殖率や放射性物質の崩壊率の計算など。
別名 相乗平均
制約 ゼロや負の値を含むデータには適用できない。
算術平均との比較 算術平均は数値を足し合わせて個数で割るのに対し、幾何平均は数値を掛け合わせてデータの個数乗根を計算する。

計算方法

計算方法

計算の方法について説明します。幾何平均を求めるには、まず対象となる全ての数を掛け合わせます。例えば、2と8と32という三つの数の幾何平均を求めたい場合は、まずこれらを掛け合わせます。2かける8かける32は512です。次に、掛け合わせた値の乗根を計算します。乗根の次数は、対象となる数の個数と同じです。今の例では数は三つなので、512の三乗根を計算します。512の三乗根は8です。つまり、2と8と32の幾何平均は8となります。

幾何平均を使う場面を考えてみましょう。例えば、ある商品の売上が年ごとに変化する場合を考えてみます。最初の年は2倍、次の年は4倍、最後の年は0.5倍になったとします。この時、全体の変化率を平均で表したい場合は幾何平均を使います。2と4と0.5を掛け合わせると4になります。数の個数は3なので、4の三乗根を計算します。計算すると、約1.59になります。つまり、平均して毎年約1.59倍の売上変化があったと言えるのです。

幾何平均には、普通の平均(相加平均)とは異なる特徴があります。普通の平均は、全ての値を足し合わせて、その合計を値の個数で割って計算します。一方、幾何平均は、値を掛け合わせて、その積の乗根を計算します。そのため、幾何平均は、極端に大きい値や小さい値の影響を受けにくいという利点があります。例えば、1と10と100という三つの数の相加平均は、37ですが、幾何平均は約4.64です。100という大きな値の影響で、相加平均は大きく引っ張られていますが、幾何平均はそれほど影響を受けていません。そのため、成長率や比率のように、互いに掛け算で関係する値を扱う場合は、幾何平均の方が適していると言えます。

項目 説明
幾何平均の計算方法 1. 対象となる全ての数を掛け合わせる。
2. 掛け合わせた値の乗根を計算する(乗根の次数は、対象となる数の個数と同じ)。
2, 8, 32 の幾何平均を求める
1. 2 * 8 * 32 = 512
2. 512 の三乗根 = 8
幾何平均の利用場面 成長率や比率のように、互いに掛け算で関係する値を扱う場合。 売上変化率が 2倍, 4倍, 0.5倍 の場合
1. 2 * 4 * 0.5 = 4
2. 4 の三乗根 ≒ 1.59
幾何平均と相加平均の違い 相加平均は全ての値を足し合わせて値の個数で割るのに対し、幾何平均は値を掛け合わせてその積の乗根を計算する。幾何平均は極端に大きい値や小さい値の影響を受けにくい。 1, 10, 100 の場合
相加平均: (1 + 10 + 100) / 3 = 37
幾何平均: (1 * 10 * 100) の三乗根 ≒ 4.64

算術平均との違い

算術平均との違い

ものの数の全体的な傾向を掴むための計算方法として、よく知られているものに、全ての数を足し合わせて、その合計を数の個数で割る方法があります。これは算術平均と呼ばれ、例えば、テストの平均点などを出す際によく使われます。しかし、この算術平均には、飛び抜けて大きな数や小さな数が含まれている場合、その数に引っ張られてしまい、全体の実態を表すのに適切でない場合があるという問題点があります。

例えば、1, 2, 3, 4, 100 という五つの数の場合を考えてみましょう。これらの数の算術平均は22となりますが、これは100という極端に大きな数に影響されています。他の四つの数は全て10よりも小さいにも関わらず、平均値は22と大きくなってしまうのです。

このような場合に役立つのが幾何平均です。幾何平均は、全ての数を掛け合わせた値の、数の個数乗根を求めることで計算されます。同じ五つの数、1, 2, 3, 4, 100 で幾何平均を計算すると、約4.57となります。算術平均の22と比べて、100の影響が少なく、他の四つの数に近い値になっていることが分かります。

幾何平均は、特に比率や割合といった、掛け算で関係づけられる値を扱う際に適しています。例えば、ある商品の価格が毎年変動する場合、その変化率の平均を求めるには幾何平均を用いるのが適切です。また、細菌の増殖率のように、指数関数的に増加または減少する値にも幾何平均が用いられます。

このように、算術平均と幾何平均は、それぞれ異なる特性を持つ計算方法です。扱うデータの性質や、求めたい結果に応じて、適切な方を選択することが重要です。極端な値が含まれる可能性がある場合や、比率や割合といった掛け算的な関係を表す値を扱う場合は、幾何平均がより正確な全体像を示してくれるでしょう。

項目 算術平均 幾何平均
定義 全数値の合計を数値の個数で割る 全数値の積の数の個数乗根
計算例 (1, 2, 3, 4, 100) (1+2+3+4+100)/5 = 22 (1*2*3*4*100)^(1/5) ≈ 4.57
メリット 計算が容易。全体の合計値を把握しやすい。 外れ値の影響を受けにくい。比率や割合、指数関数的な変化の平均に適している。
デメリット 外れ値の影響を受けやすい。 計算が複雑。
適したケース テストの平均点など、単純な平均値を求めたい場合。 価格変動率、細菌の増殖率など、比率や割合、指数関数的な変化の平均を求めたい場合。

活用事例

活用事例

幾何平均は、算術平均とは異なる計算方法で平均値を求める手法であり、様々な分野で活用されています。特に、変化率や比率といった相対的な値を扱う際に非常に役立ちます

金融分野では、投資の複利効果を計算する際に幾何平均が用いられます。例えば、ある投資信託の年利回りが3年間それぞれ5%、10%、-2%だったとします。単純に合計して3で割る算術平均では4.33%になりますが、幾何平均では4.26%となります。これは、損失が発生した翌年に利益を得る場合、損失を取り戻すにはより高い利回りが必要となるためです。幾何平均を用いることで、複利の効果を適切に反映した平均利回りを計算できます

また、感染症の拡大率や人口増加率など、比率で表される変化を分析する際にも幾何平均は有効です。例えば、ある都市の人口が毎年5%ずつ増加している場合、5年間の人口増加率は単純に5%×5年=25%と考えることはできません。増加した人口を基に翌年も増加していくため、幾何平均を用いることで、より正確な全体的な増加率を把握できます

さらに、情報処理分野でも幾何平均が利用されることがあります。例えば、画像処理において、複数の画像の明るさを平均化する際に、幾何平均を用いることで、極端な明るさの値に引っ張られることなく、より自然な平均明るさを得ることができます。音声認識においても、複数の音声データの特徴を平均化する際に幾何平均が用いられることがあります。

このように、幾何平均は、金融、疫学、情報処理など、幅広い分野でデータの特性を理解し、分析するための重要なツールとなっています。算術平均では捉えきれない、比率や変化率といったデータの特性を適切に評価するために、幾何平均はなくてはならない存在と言えるでしょう。

分野 幾何平均の活用例 算術平均との違い・幾何平均の利点
金融 投資の複利効果の計算(例:年利回りの平均) 損失発生時の影響を考慮、複利効果を適切に反映
疫学/人口統計 感染症の拡大率、人口増加率の分析 比率で表される変化の正確な把握
情報処理 画像処理における明るさの平均化、音声認識における特徴の平均化 極端な値に引っ張られない自然な平均、比率データの適切な評価

まとめ

まとめ

幾何平均とは、数値を掛け合わせた積の平方根を取ることで算出される代表値です。これは、よく知られている算術平均、つまり数値を合計して個数で割る方法とは大きく異なります。幾何平均は、比率や変化率、成長率といった、掛け算で繋がる値を扱う際に特に役立ちます。例えば、ある商品の価格が一年で2倍になり、次の年で半分になったとします。算術平均を用いると(2+0.5)/2 = 1.25倍となり、平均的には価格が上昇したように見えます。しかし、実際には最初の価格に戻っているので、変化はありません。このような場合に幾何平均を用いると、√(2×0.5) = 1となり、実態に即した結果を得られます。

幾何平均は、極端な値の影響を受けにくいという利点もあります。例えば、1, 5, 100という3つの数値を考えると、算術平均は35.3になりますが、幾何平均は4.64です。100という大きな値に引きずられて算術平均は大きな値を示していますが、幾何平均は他の値とのバランスを保っています。

この特性から、幾何平均は金融分野で投資の複利計算に用いられます。投資において、年ごとの利益率が大きく変動する場合でも、幾何平均を用いることで長期的な平均利益率を正確に把握できます。また、人口の増加率や減少率、感染症の拡大率の分析といった分野にも応用されています。これらの現象は、前の期間の状態に一定の割合が乗算される形で推移するため、幾何平均を用いることが適切です。

算術平均では見落とされる情報も、幾何平均を用いることで明らかになることがあります。データの真の姿をより正確に捉えるために、幾何平均は強力な道具となります。データ分析を行う際には、算術平均だけでなく幾何平均も検討することで、より深い理解と、より適切な判断材料を得ることができるでしょう。

項目 説明
定義 数値を掛け合わせた積の平方根 √(a * b * … * n)
用途 比率、変化率、成長率などの掛け算で繋がる値 投資の複利計算、人口増加率、感染症拡大率
利点 極端な値の影響を受けにくい 1, 5, 100 -> 幾何平均: 4.64, 算術平均: 35.3
算術平均との比較 (価格変動の例) 2倍 -> 半分

算術平均: (2 + 0.5) / 2 = 1.25倍 (増加)

幾何平均: √(2 * 0.5) = 1 (変化なし)
適用分野 金融、人口統計、疫学など