ランダムフォレスト:多数決で予測精度を高める
「ランダムフォレスト」とは、たくさんの「決定木」と呼ばれる予測モデルを組み合わせて、より正確な予測を行う機械学習の手法です。まるで森のようにたくさんの木が生えている様子から、「ランダムフォレスト」という名前が付けられています。
一つ一つの木にあたるのが「決定木」です。決定木は、質問を繰り返すことで、答えを絞り込んでいくような仕組みを持っています。例えば、果物を分類する場合、「色は赤いですか?」「大きさはどれくらいですか?」といった質問を繰り返すことで、「りんご」「みかん」「いちご」など、答えを導き出します。
ランダムフォレストは、この決定木をたくさん用意し、それぞれの木に学習させます。しかし、すべての木に同じデータを学習させてしまうと、似たような木ばかりができてしまい、予測の精度はあまり向上しません。そこで、ランダムフォレストでは、それぞれの木に学習させるデータを少しだけ変化させます。元のデータから一部のデータを取り出したり、注目する特徴をランダムに選んだりすることで、多様な木を育てます。
それぞれの木が学習を終えると、予測したいデータに対して、すべての木が予測を行います。そして、それぞれの木の予測結果を多数決でまとめることで、最終的な予測結果を導き出します。
このように、たくさんの木を育て、それぞれの木が異なる視点から予測を行うことで、一つだけの木を使うよりも、より正確で安定した予測が可能になります。また、一部のデータが不足していたり、質が悪かったりしても、他の木が補完してくれるため、データの欠陥に強いという利点もあります。そのため、様々な分野で活用されている、信頼性の高い予測手法と言えるでしょう。