閾値

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アルゴリズム

基準値ベースの異常検知

世の中には、普段と違う様子を見つける技術があります。これを異常検知と言います。異常検知は、たくさんのデータの中から、いつもと違うパターンや数値を見つける技術です。色々な方法がありますが、その中でも基本的な方法の一つに、基準値を使った異常検知があります。基準値とは、普段の状態を数値で表したものです。この基準値を使って異常かどうかを判断するので、分かりやすく、使いやすいという長所があります。 基準値を使った異常検知は、まず正常な状態でのデータを集めて、その範囲を決めます。例えば、機械の温度を監視する場合、正常に動いている時の温度を測り、その平均や範囲を基準値として設定します。そして、実際に機械が動いている時の温度を測り、その値が基準値から外れていたら、異常と判断します。基準値は、あらかじめ決めた範囲からどれくらい外れているかによって、異常の度合いも判断できます。少しだけ外れている場合は軽度の異常、大きく外れている場合は重度の異常として扱うことができます。 この方法は、色々なところで使われています。例えば、コンピュータシステムの監視です。システムの反応速度や使用中のメモリ量が、いつもと違う値になったら、何らかの問題が起きている可能性があります。これを基準値を使った異常検知で見つけることで、すぐに対応できます。また、クレジットカードの不正利用の検知にも使われています。普段とは違う高額な買い物や、海外での利用などは、不正利用の可能性があります。これも基準値を使った異常検知で見つけることで、被害を防ぐことができます。他にも、健康診断の結果から病気を早期発見したり、工場の機械の故障を予測したりと、様々な分野で活用されています。 基準値を使った異常検知は、簡単で分かりやすい方法ですが、いくつか注意点があります。基準値を適切に設定することが重要です。正常な状態のデータを集める際に、異常なデータが混ざっていると、基準値が正しく設定できません。また、環境の変化によって正常な範囲も変わる可能性があるので、定期的に基準値を見直す必要があります。このように、適切な運用を行うことで、基準値を使った異常検知は、様々な場面で役に立つ技術となります。
機械学習

ROC曲線とAUCによるモデル評価

二値分類とは、対象を二つの種類に区分けする作業のことです。例えば、健康診断の結果から、病気に罹患しているかいないかを判断する場合や、メールが迷惑メールかそうでないかを判別する場合などが挙げられます。このような二値分類の精度を測る方法の一つに受信者動作特性曲線、略してROC曲線と呼ばれるものがあります。 ROC曲線は、縦軸に真陽性率、横軸に偽陽性率をとって描かれるグラフです。真陽性率とは、実際に陽性であるものの中から、正しく陽性と予測できた割合のことです。病気の診断で例えるなら、実際に病気に罹患している人の中で、検査によって正しく病気と診断できた人の割合です。これは、感度や再現率とも呼ばれます。一方で、偽陽性率とは、実際は陰性であるものの中から、誤って陽性と予測した割合のことです。病気の診断の例では、実際には健康な人の中で、検査によって誤って病気と診断されてしまった人の割合に当たります。 ROC曲線を描くためには、様々な閾値を用います。閾値とは、陽性と陰性を区別する境界線の値のことです。この閾値を変化させることで、真陽性率と偽陽性率の値が変化し、ROC曲線が描かれます。理想的な分類モデルは、真陽性率が高く、偽陽性率が低い、つまり、病気の人を正しく病気と診断し、健康な人を誤って病気と診断することが少ないモデルです。ROC曲線上で、左上に近いほど理想的なモデルと言えます。 ROC曲線を見ることで、様々な閾値におけるモデルの性能を一度に評価できるため、特定の閾値だけに頼った評価よりも、より多角的で詳細な分析が可能になります。これは、目的に合わせて最適な閾値を選択する際に役立ちます。例えば、病気の早期発見を重視する場合には、多少偽陽性率が高くなっても、真陽性率の高い閾値を選ぶ方が良いでしょう。このように、ROC曲線は二値分類モデルの性能評価において重要な役割を果たします。